2012年5月26日 (土)

【ほうこさいブログ】機械翻訳リテラシーが欠如した状態で機械翻訳を利用するとこうなってしまう―東北観光博サイト、奈良市観光協会サイト事件から見えること―

しばらく前に東北観光博サイトの外国語ページの翻訳がめちゃくちゃだったことがニュースになったが、今度は奈良市観光協会サイトが同じ理由で多言語化した外国語ページが閉鎖中だそうだ。

読売新聞によると<担当者は「自動翻訳で内容を更新するには、単語登録しなければならない言葉が多過ぎる」と頭を抱えている>とのことだが、本当に担当者がこのような発言をしたとしたら、呆れ果てしまう。http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120526-OYO1T00431.htm

機械翻訳はここ数年かなり精度が高くなったが、当然ながら限界があり、誤りもある。機械翻訳の辞書に登録されてない固有名詞は正しく翻訳できるわけはないし、多義性を持つ文にも誤訳がつきものである。人が翻訳するのと異なるシステム、論理で翻訳されているのだから、その限界を知ったうえで上手に使っていくのが人間の知恵というものだろう。

僕たちは、自動車に部屋まで来てもらおうとは考えない。一方通行や駐停車禁止区間があれば、不便ではあるが、目的地から離れた所に車を停めて、あとは自分の足で目的地まで歩いていく。時にはブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えてヒヤッとしたり、それこそ交通事故で毎年多くの人が亡くなっている。それでも何とかだましだまし自動車を使い続けている。機械というのは所詮そのような不完全なものであり、人がその不完全な部分を補って使っていくものである。

なぜ、機械翻訳を使う際にそのようなことに思い至らないのか不思議でならない。固有名詞の対訳を準備せずに機械翻訳を使うのは、ハンドルなしで車を運転するようなもので、事故が起きて当たり前。自動車の運転をするのに一定の知識や技能の習得が必要なように、機械翻訳を使うにも一定のリテラシーが必要である。これは、翻訳を提供する側だけでなく、翻訳結果を読む側ににも必要なものである。

今後は、機械翻訳リテラシーが外国語能力と同様に、いやそれ以上に必要とされる時代になるだろう。

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2012年5月11日 (金)

日本では、フィリピンと中国の領土紛争のニュースはどうしして中国発の情報ばかりなの?

フィリピンと中国が領土問題で一触即発の状況にあるというニュースをこのところいたるところで見かける。中国がフィリピンに「最後通告」といった文字も踊っている。でも注意してみると、情報発信元はほとんどが中国のメディアであったり、それを再生している日本のメディアなんだよね。

日本の大手メディアも、中国発の情報によるものがほとんどで、フィリピン側の立場に立つ情報は少ない。領土問題なのだから両者にそれぞれの言い分があるはずであり、両方の立場の情報が必要なのに、フィリピン側のものはほとんど目にすることはない。

日本語インターネット情報も同様だ。ほぼ全てが中国発情報であり、またそれに対する疑義もさしはさまれることはない。これが日本における情報ネットワーク社会の現状である。一方の情報のみが垂れ流されている日本では、中国国内、フィリピン国内と同様に、この件についてまともな、客観的な価値判断を下すのは不可能であることはいうまでもない。

私たちが判断の根拠にする情報いというのは所詮そのような、恣意的にあるいは偶然にほんのごく一部だけ切り取られ濃縮されたものだということを常に意識しなければならないということを、この間のフィリピンと中国の領土紛争であらため感じている次第である。

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2012年2月 6日 (月)

今日は研究室のエアコンが一日動かなかった。寒かった。ついでに30年ほど前の上海の冬、10年ほど前の台北の冬について。

今日は研究室のエアコンが一日動かなかった。寒かった。冬は暖房があるのが当たり前になっているので、たまたま使えない日があると身体にこたえる。

1983年秋から85年夏まで上海の大学に留学した。その頃の中国では淮河より北の地域、例えば北京などはどこに行っても暖房ががんがん効いていて、屋内にいれば寒さをあまり感じなかった。しかし淮河より南の地域では暖房の設備はなく、屋内外を問わずとにかく寒かった。僕の留学していた大学では、留学生宿舎のみスチームパイプが通っていて、朝晩それぞれ2時間ずつ暖房が入った。他には暖房の入る場所はなかった。留学生はめちゃめちゃ優遇されていたのだが、それでもスチームが切れた後にも暖がほしい留学生たちは、街に出かけ2,000Wの電熱器を買ってきて、夜になると部屋部屋で電熱器のスイッチが入れられた。当然所定の電流以上になりヒューズが切れる。停電して真っ暗になる。みんなあわてて電熱器のスイッチを切る。だれともなく代替のヒューズを持ってきてさっと取り替える。もちろん、中国人の学生宿舎にはスチームすらないし、電熱器をつかうことなど許されていない。大学で使う電力の半分は留学生が使っていると揶揄されていた。今思えばおバカな外国人だった。

2002年春から1年間台北の大学で過ごした。その後毎年学生を台北に連れて行っているのだが、いつも利用しているエクステンションセンターの宿舎のエアコンは「冷房」のみで「暖房」はない。教室には扇風機はついているが「暖房」はない。最低気温は低くて10度程度なので、確かに不要といえば不要なのだが、冬の暖房が当たり前の僕たちにとっては15度でも寒く感じる。それ以上に寒いのがバス。台北の冬は雨が多い。雨の中、多くの乗客を乗せて走るバスのフロントガラスは結露で曇る。運転手はそれを「冷房」で消そうとする。ただでさえ寒いバスの中が冷気で凍えそうになる。台北で冬にバスに乗るときは上着を一枚多めに持って行った方が良い。

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2012年2月 5日 (日)

今日から2/23まで早稲田キャンパスはロックアウト、ついでに僕が受けた頃の大学入試について思い出を少し

今年度の授業、試験も昨日までですべて終わり、今日から春休み。早稲田キャンパスはロックアウト。学生さんたちは大学入試が終わる2/23までは学生さんや一般の方はキャンパス内に入れません。

学生として通った大学、以前勤めていた大学では入試だからといってキャンパス立ち入り禁止などということはなかったので、最初の年はびっくりした。そもそも入試が学部ごとに10日以上も延々と続くということも想像の埒外だった。

僕が受験したころはまだ共通一次試験(大学入試センター試験の前身)もない頃で、国立の大学は入試時期で一期校(3月上旬に試験)、二期校(3月下旬に試験)に分けられ、各大学は1回だけ入試をしていた(東大は一次試験と二次試験をしていた)。入試は2日~3日かけて、ちょうど今センター試験の受験科目として指定しているものを、各大学が独自に記述式でやっている感じ。

僕が受けた大学では文学部なのに最終日(3日目)の午前に2時間半の数学の試験があった。何とその大学の数学の試験では「公式集」が配布され、試験中に使えたんだよね。そんな大学は当時他にはなかった。今でもないんじゃないかな。

昔から、そして今でも記憶力の悪い僕にとっては、これは命綱のようなものだった。公式がなかなか覚えられない僕は、数学の問題を解くとき、しばしば公式を導き出すところから始めないといけなかった。当然時間が足りなくなるのは当たり前、焦ってミスも連発するというのが常だったので、大助かりだった。入学した後で話をしてみると、実際に「公式集」を使ったのは回りでは僕ぐらいのもので、みんな「公式集」に載っているまさに基本的な公式ぐらいは当然頭に入っていたんだよね。

実際にはほとんどの受験生は使わないのだが、数学の試験で「公式集」を問題と一緒に配布することは<「知識」があるかどうかは問わない、問うのは(知識を)使えるかどうかだ>と宣言していることになり、この姿勢は今でも、というか今だからこそ高く評価している。受験生だった当時はありがたいだけだったが。

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2012年2月 4日 (土)

三菱一号館美術館の「ルドンとその周辺―夢見る世紀末」に行ってきた

三菱一号館美術館の「ルドンとその周辺―夢見る世紀末」に行ってきた。木炭画とリトグラフの前半と油彩、水彩、パステルの後半。全く別人の作品としか思えない。白黒リトグラフ→多色リトグラフと変わるのではなく、油彩、水彩、パステルへ移行するんだよね。三菱一号館美術館では昨年末にルドンよりちょっと後に生まれたロートレックの作品を展示していたけど、こちらは最後までリトグラフにこだわり続けた。画家にとって描く手段を変える/変えないというのはどういう意味を持つんでしょうか。ルドンを見ていて、先月横浜美術館で見た松井冬子の絵を思い出した。

三菱一号館美術館の「ルドンとその周辺―夢見る世紀末」は3/4まで。
横浜美術館の「松井冬子展 世界中の子と友達になれる」は3/18まで。

興味のある方は是非。

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2012年1月 7日 (土)

今日はリレー講義「表象とメディア」の担当日。この科目の担当は今年限りなので、授業で使ったパワーポイントから2枚UP。

今日はリレー講義「表象とメディア」の担当日だった。ここ数年2回の授業を担当してきましたが、担当するのが今年限りということになりましたので、ここ数年お話してきたネタもお蔵入りということになります。そこで授業で使ったパワーポイントから2枚ほどUPすることにします。

1枚目は、日本を代表するレンタルビデオチェーン「TSUTAYA」と台湾を代表する貸本チェーン「十大書坊」の推移を比較したもの。

2枚目は日本、台湾、韓国の貸本文化の推移を比較したもの。

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授業ではこの2枚を使って色々と話をしましたが、この2枚を見て皆さんは何を考えますかね。

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2012年1月 4日 (水)

「漢字シンポジウム-中日漢字の発展の歴史と未来を探る-」(1/11 9:30~18:00、早稲田大学大隈小講堂)ご案内

早稲田大学孔子学院主催の「漢字シンポジウム-中日漢字の発展の歴史と未来を探る-」が以下の日程、内容で開催されます。興味のおありの方はどうぞ。

日時:
1月11日(水)9:30~18:00

場所:
早稲田大学大隈小講堂

内容:
「20-21世紀中国の漢字と漢字学」
発表者:王寧(北京師範大学文学院教授)
コメンテーター: 笹原宏之(早稲田大学社会科学総合学術院教授)

「現代中国の文字政策」
発表者:李宇明(中国国家語言文字工作委員会副主任、教育部言語文字情報管理司司長)
コメンテーター:佐藤栄作(愛媛大学教育学部教授)

「情報化時代における中国漢字の応用」
発表者:王翠葉(中国教育部言語文字情報管理司副司長)
コメンテーター:笹原宏之(早稲田大学社会科学総合学術学院教授)

「現代漢字システム最適化の基本原則」
発表者:王立軍(北京師範大学文学院教授)
コメンテーター:佐藤栄作(愛媛大学教育学部教授)

※発表は中国語で行われます(日中逐次通訳あり)。

自由討論

対象:早稲田大学教職員、学生及び一般の方
参加費:無料
申込: 所属、氏名、連絡先を明記の上、wci@list.waseda.jp にお申し込みください。

私自身は早稲田大学孔子学院や今回のシンポジウムの運営に関わっていませんので、質問等は上記アドレスにお願いします。

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2011年12月28日 (水)

早稲田大学教育学部事務所閉室は12/29~1/5、僕も1/28~1/5は研究室閉室予定。

今日(といって時計を見たらもう昨日か)は午前は都庁で運転免許証更新手続き、午後は大学で事務仕事。年末年始の事務所閉室は12/29~1/5。明日も事務所は開いているけれど、個人的に今日で仕事納め。仕事納めといっても、日頃から仕事の半分は自宅でしているので、年末年始もずるずると仕事を引きずることになるのだけど。

今年の1月初めの日程は変則的なので注意しましょう。
1/6(金)1/7(土):通常授業
1/8(日)1/9(月)1/10(火):大学はお休み
1/11(水)以降:通常授業
 

 

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2011年12月 6日 (火)

第11回台湾師範大学語学研修のご案内

今年も台湾研修を行います。

期間は3月5日‐21日(16泊17日)

毎年、今回で最後か、と思いながら11回目。去年が良い切れ目だったんだけど、今年もやることになったので、このままずるずる続いていくことになるのかも知れない。

申し込み受付期間は12/8-1/11。興味のある方はこちらの案内ページをご覧ください。

http://www.f.waseda.jp/kimikazu/taiwan/taiwan11.htm

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2011年11月23日 (水)

言語文化教育学会(12/3,4早稲田大学)12/3は平田オリザ氏講演(「対話の時代に向けて-コミュニケーションデザインとは何か-)+シンポジウム

言語文化教育学会第11回大会情報

日時:2011年 12月3日(土)10時~18時 ・ 4日(日)10時~14時

会場:早稲田大学 早稲田キャンパス(3日:16号館1階107教室/4日:7号館2階206教室)
参照:http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html

参加費(会員・一般):1000円、予稿集を必要としない学生:無料(受付で学生証をご提示ください)

使用言語:日本語

12月3日(土)
10:30-12:00 招待講演
平田 オリザ 氏(劇作家・演出家・大阪大学コミュニケーションデザインセンター教授・内閣官房参与)
「対話の時代に向けて」-コミュニケーションデザインとは何か-
 演劇ワークショップを用いた授業の実例などを紹介しながら、現在の日本社会におけるコミュニケーションの問題、新しい学問領域であるコミュニケーションデザインという考え方を紹介します。

13:30-17:30 シンポジウム
「大学で培うべきコミュニケーション能力とは」
―日本社会で何が求められているか―
コーディネーター:
  矢野安剛 (当学会会長・早稲田大学名誉教授)
パネリスト:
  長部 謙司 氏 (シスコシステムズ)
  Melanie CZARNECKI 氏 (立教大学)
  宮田 勝正 氏 (シスコシステムズ)
  渡部 忠 氏 (マガジンハウス・ターザン編集部)
ディスカッサント:
  平田 オリザ 氏 (劇作家)
《概要》
・大学が、どのようなコミュニケーション能力を持つ人材を育成するか。
・社会の変化、国際化、産学協同が当たり前の社会で、社会、企業、親、学生が、大学に何を求めているか。
・ゼミで養成される力
・サークルで養成される力
・仲間以外とコミュニケーションできない。
・母語の聞き取りがまといでない学生(←外国語での聴解は無理)
 以上のような問題に対し、パネリストがそれぞれの立場から意見を述べ、フロアの参加者の皆さんと、討議していきたいと考えております。

12月4日(日)
10:00-13:30 個人発表

低学年で来日したJSL児童の学力の基礎になる日本語能力の育成―来日1ヶ月目から、10ヶ月間にわたる縦断的調査の結果から―
島田 友絵(昭和女子大学大学院)

「てしまう」の語用論的機能―ポライトネス理論からの考察
中山 富子(昭和女子大学大学院)

byとnearの近接概念に対する指導法について
萩原 伸一郎(愛知高等学校)

日本語学習者のコミュニケーション能力-語用論的誤用から-
林 千賀(城西国際大学)

日本の小学校英語教育における教室内のインタラクション分析
深津 文乃(早稲田大学大学院)

日本語の「NP1はNP2だ」の意味―関連性理論の観点から―
三角 友子(元タマサート大学)

問い合わせ先:言語文化教育学会事務局(E-メール:jatlac@gol.com

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